離婚慰謝料はどうやって計算するか

離婚の原因はそれぞれの家庭の事情により異なるものです。したがって、離婚慰謝料に関しても、たとえば自賠責保険や生命保険のような、明確な基準や計算方法があるわけではありません。そこで、一般的には当事者の双方で話し合いをして、そこで合意された金額が、すなわち慰謝料の金額として確定されることになります。しかし、実際には話し合いがこじれることもあり、その後は民事裁判で決着をつけるということも想定されます。この場合、過去の裁判の判例では、一定の慰謝料の相場のようなものができあがっているというのも事実です。法律問題のプロである弁護士が関わる場合には、こうした相場をもとにして、個々の事情を勘案しながら、適切な金額での妥結に向けて活動することになります。

責任の度合いによる慰謝料の決定

離婚というものは、夫婦のどちらかが原因をつくって、それがもとになった結果であるということができます。そのため、原因をつくった側の責任が重ければ重いほど、離婚慰謝料の金額は大きくなるというのが一般的であり、常識としても納得できるところです。離婚の原因としては、配偶者の不貞行為、家庭内暴力、性的な不一致などが考えられます。配偶者の不貞行為は、離婚の原因としてはありふれたものですが、円満な夫婦関係をみずから破壊したという責任は問われなければなりません。この場合、不倫相手との交渉に及んだ回数が多かったかどうか、金品の授受などにより家計をないがしろにすることがあったかどうか、再三にわたる警告を無視して関係を継続したかどうか、などがポイントとなります。通常は責任の度合いを数値として置き換えて、基準となる金額に掛けて割増をします。

婚姻期間や収入などの要素でも判断する

離婚慰謝料の金額は、離婚に至った原因と、その原因に対する責任の度合いによって決まるというのが、原則的な考え方であるといえます。ただし、この原則のほかにも、いくつかの要素をプラスして、金額を増減させることがあり、単純ではありません。責任の度合い以外の要素としてまず挙げられるのが、婚姻期間の長さです。婚姻関係がすでに20年、30年といった長期にわたっていた場合、生活スタイルがすでに固まってしまっていますので、再婚などによる修復が困難であるといえます。そのため、婚姻期間が長い場合には、同じような原因であったとしても、慰謝料の金額が跳ね上がることが多くみられます。ほかにも、家庭のなかで収入の多い側が離婚に対しての責任を負っているのか、それとも少ない側が責任を負っているのかという要素も重要です。少ない側の有責性が高い場合、現実的には慰謝料の支払い能力に乏しいため、金額を減少させて調整することが行われます。